#Books for Children -読み終えた本がつなぐ、子どもたちの今と未来‐ 公益社団法人こどものホスピスプロジェクト
2026-05-01
2026-05-01

5月5日は、こどもの日。
子どもたちの幸せや健やかな成長を願うこの日に、さまざまな事情のなかで日々を過ごす子どもたちに思いを向けるきっかけを届けたい。そんな思いから、このキャンペーンが生まれました。
読み終えた本を通じて寄付ができる「チャリボン」では、本の買取金額を子ども支援に取り組む団体へ届けることができます。
あなたの一冊が、支援を必要としている子どもたちの力になります。
本を通じてできる、もうひとつの応援のかたちを、ぜひ知ってください。

この記事で紹介するのは「一般社団法人 みんなのレモネードの会」
小児がんを経験した子どもたちやその家族が、安心してつながれる場を作っている団体です。入院中だけでなく、病院を離れたあとも続く不安や孤立に寄り添いながら、全国の仲間とつながりを広げる活動を展開しています。
今回、代表の榮島さんにオンラインでお話を伺いました。

「みんなのレモネードの会」のはじまりは、代表である榮島さんご自身の経験にあります。
3歳で小児がんを発症した息子さんは、約2年間の闘病生活を経て退院。しかし、退院は“終わり”ではなく、新たな不安の始まりでもありました。
「入院中はナースコールを押せば誰かが来てくれる。でも退院後は、ぽつんと家庭に戻る。子どもの体力が戻らない中、幼稚園に戻るにはどうすればいいのかなど、その後の生活を相談できる場所もなく、不安を抱えながら日常を過ごしていくしかなかったんです。」
そんな中、お世話になった方々への恩返しとして、レモネードスタンドを地域のお祭りで行ったところ、地域内外から同じ小児がんを経験した子どもやご家族が集まりました。
「息子の体力もないので、一回だけという軽い気持ちでした。でも想像以上に、同じ小児がんを経験したお子さんやご家族がたくさん来てくれて、情報交換ができたんです。息子と相談して、一回で終わるのはもったいないね…と。そこから次第に本を紹介し合う読書部やUNOが好きな子がUNO部を作ったり、月一回“集まって交流する”活動が始まりました。」
当初は対面での交流が中心でしたが、活動の転機となったのがコロナ禍でした。
「集まることができなくなってしまって、どうしようかと考えたときに、オンラインでつながる形に切り替えました。」
オンラインでの活動を始めたことで、それまで地域に限られていたつながりが、一気に全国へと広がっていきます。
「今までは来られる人しか参加できなかったのが、距離に関係なく参加できるようになった。結果的に、より多くの子どもたちに居場所を届けられるようになりました。」
今では、読書部やおきゅう部、ティーンエイジャー向けの交流会など、多様な“部活動”が生まれています。未就学児から20代までと参加者の幅も広がり、当事者だけでなく、きょうだいや保護者もそれぞれの形で関われる場になっています。

読書部の様子(オンライン)

おきゅう部の様子(オンライン)
「誰が当事者かきょうだいか知らないけれど、なんとなく何も聞かず聞こうともせずに過ごせるというのが、心地いい場所なんだろうなと思いますね。」
また、オンラインでの交流と並行して、レモネードスタンド、お世話になった病院にクリスマスプレゼントを届ける「みんレモサンタ」というプロジェクトも継続的に行っています。「みんレモサンタ」は子どもたち自身が、必要なものを病院と連絡を取り合って準備し、病院へ届ける取り組みです。
「始めは首都圏の病院を中心に届けていましたが、参加している子どもたちが増えたことで、それぞれがお世話になった病院へと、届ける範囲も全国へ広がっていきました。」

お世話になった病院へクリスマスプレゼント
活動の根底にあるのは、 「退院後も途切れない支援を届けること」
「学校に通うだけで精一杯の子もいるし、進路に悩む子もいる。そうした日常の中にこそ、支えが必要なんです。」
支援が広がれば広がるほど、届ける側の負担も大きくなります。
利用する子どもたちにとっては良いことでも、運営側が疲弊してしまっては続けられません。
現在は約20名のボランティアが関わっていますが、多くは当事者やその家族です。無理なく続けられる仕組みづくりが求められています。
「日本では“ボランティア=無償・自己犠牲”というイメージがまだ強いですが、活動を継続するためには、支援を届ける側にも目を向けることが大切です。
スタッフには元気であってほしい。支援を受ける側、届ける側どちらもハッピーであることが願いです。ボランティアの労働力がきちんと評価されるような体制を作っていきたいと思っています。」

レモネードスタンドの様子(2025年夏)
「入院中の支援はイメージしやすいのですが、退院後の支援はなかなか伝わりにくい。“楽しそうに集まっているだけ”に見えてしまうこともあるんです。」
しかし実際には、その楽しそうに集まっていること自体が、子どもたちにとってかけがえのない居場所になっています。退院して“終わり”ではなく、むしろ支援が必要なのは、ナースコールのない日常の中で、安心して過ごせる環境です。
「体力が戻らず、学校に行くだけで精一杯の子や、外出すら難しい子もいます。そんな日常の中で、気兼ねなく過ごせる場の存在は欠かせません。 」
チャリボンを通じた寄付は、こうした活動を支える力になっています。
オンラインの活用により、全国の子どもたちがつながり合えるようになりました。
「距離に関係なく参加できて、年齢が離れていても上下関係もなく、みんなで成長を見守る活動ができています。」
「本が好きな子は本当に多いんです。うちの子は、疲れたら本を読むぐらい…笑。
体が思うように動かないときでも、本の中で別の世界に入ってワクワクしたり、冒険したり、色々な人に会ったり、本に支えられています。読み終えた本が、子どもたちの居場所の支援につながるのは、とても嬉しいです。
退院した後の生活って、なかなか想像しにくいと思います。成長期にがん治療を行ったことで、体力の低下や様々な不調を抱える子どもたちは、“一般的な生活”を送ることが困難な場合も少なくありません。退院後の生活を継続的に支援する団体は、まだまだ少ないのが現状です。この機会に、知っていただけたらいいなと思います。」
【2025年度 みんレモ活動だより】
▼詳しい活動内容はこちらから
https://drive.google.com/file/d/12JQP3j_JQzUn0zY__aXfmkKMfJdJAzWq/view?usp=sharing

団体の活動をより深く知るために、榮島さんにおすすめの3冊をご紹介いただきました。
小児がんとは何か、病気または特有のニーズを持つ子どもとその家族(きょうだい)に焦点を当てた本です。
代表の榮島さんの息子さんが書いた絵本。
小児がんの治療や日々の生活の様子、治療を乗り越える力を伝えています。
代表の榮島さんご自身が書いた絵本。
病気の子どものきょうだいや家族が、病気と向き合う中で感じる不安や孤独を優しいメッセージで伝えています。
障害を持つ息子とその家族の日々の物語。
障害者に対する理解を深め、より良い社会づくりとは何か考えるきっかけになります。
posted by 深井望
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