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2024-12-16
2023-02-19
オンラインを中心として、全国から本の買取・販売を手がける株式会社バリューブックス。
1日に2万冊もの本が全国から届くものの、そのうちの半分、1万冊は買い取れずに古紙回収へとまわっています。
インターネットの市場で値段がつかない本は、古紙となり、再生紙に生まれ変わる。
それはひとつの真っ当な循環ではあるけれど、「なにか、自分たちにもできることはないだろうか」という思いが募り、「本だったノート」が生まれたのが2022年の夏のこと。
そんな本だったノートの取り組みを知った、無印良品 東京有明からの呼びかけで、また新しい再生紙のノートが生まれました。
原料となるのは、バリューブックスで値段をつけられなかった本と、無印良品の店舗に集まる輸送用のダンボール。本もダンボールも、通常そのまま回収されれば、古紙再生紙になります。
けれど、あえて「本だった」「ダンボールだった」という過去を引き継ぐ特別な再生紙を、自分たちの手でつくることで、リユースやリサイクルについての想像力がよりふくらむノートになるのではないか。そんな両社の思いが重なり、生まれたのが「本とダンボールだったノート」です。
こちらの記事では、本とダンボールが再生される現場のレポートをしていきたいと思います。記事末尾では、「本とダンボールだったノート」の販売についてのご案内もしていますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
「本と段ボールだったノート」の紙を抄造してくださったのは、本だったノートでもお世話になった、大阪泉南市の再生紙づくりのスペシャリスト山陽製紙さん。今回、再生紙が生まれる現場を無印良品とバリューブックスのメンバーで立ち合わせてもらいました。
まずは、原料となるのがこちら。
無印良品 東京有明で出た廃棄ダンボール、バリューブックスで集めた本たち、そして再生紙をつくる際に紙を安定させるために入れる再生古紙パルプ(手前の白い紙束)です。
ダンボール:古本:古紙パルプ、それぞれを、3:4:3 の割合で再生紙をつくっていきます。
この配合は、それぞれダンボール”だった”、本”だった”記憶を残しながらも、ノートとして使っていただけるものをつくりたいという思いから、事前に3社で相談した上で決めた特別な配合です。
大きなミキサー、通称シクナーにそれぞれの原料を入れ、溶かし混ぜていきます。
本だったノートの際もそうでしたが、大量の本がシクナーに入れられ、溶けていく姿を見るのは、心が痛む現場でもあります。
ただ、こうした現状や実際の抄造の現場ををこちらの記事や出来上がったノートを通して正直に伝えていく中で、少しでも状況を改善していければと考えています。
*抄造:原料をすいて(=抄)つくる製紙方法
本を製本するために使われる糊や、ダンボールのテープなど、水にとけず抄造できないものは、丁寧に手で取り除いていきます。
多くの紙の抄造工程では「紙を白くする」ために漂白が行われますが、原料独自の風合い・記憶を感じていただくためにも、極力漂白を行わずに抄造を進めていきました。
(私たちの細かい要望にいつも答えてくださる山陽製紙さんに感謝です!)
紙の姿に近づいてきました。紙を平らに伸ばし、蒸気で乾かしていきます。
真剣な眼差しで、抄造の現場を見守る無印良品 東京有明店 店長の湯崎さん(右)と近藤さん(真ん中)。
乾燥の工程も終わり、最後は大きなロールに巻かれていきます。
出来上がった「本とダンボールだった紙」を手にするや否や、どのようなノートにしていこうか、アイデアが止まらない無印良品&バリューブックスメンバー。
実際に出来上がった紙がこちら。ダンボール”だった”、本”だった”ことが見た目から伝わる個性的な再生紙が生まれました。紙の手触りも、普段触れている紙とは異なるザラザラさ、ダンボールらしさが感じられるものになっています。
ノートの形に製本されたものがこちら。「本だったノート」と比較すると、表紙カバーや帯がないシンプルな仕上がりであり、無印良品としての物づくりへの考え方が反映されたデザインとなっています。
付属の栞には、本だったノートの印刷時にも行われたグラデーション印刷をしました。
廃インクを活用し、特定の色を指定しないグラデーション印刷を行うことで、極力資源を無駄にしないノートづくりを心がけています。
さまざまな思い・人の手によって生まれた「本とダンボールだったノート」は現在、無印良品 東京有明、そしてバリューブックスのオンライン限定で購入可能です。
ぜひ手にとっていただき、こちらのノートが生まれた背景、それぞれが本”だった”・ダンボール”だった”ことへの思いを馳せていただけると嬉しいです。
本とダンボールだったノートの購入ページはこちら:
https://www.valuebooks.jp/bp/VS0063398016
「本だったノート」、「本とダンボールだったノート」の制作・販売が始まった今でも、古紙回収にまわっていく本は少なくありません。
バリューブックスは、ノートに限らず、さまざまな形で本だった「紙」を活用し、捨てざるを得ない本に新しい命を吹き込みたいと思っています。
本だった「紙」を用いた商品開発、活用にご興味のある企業の方は、ぜひお気軽に下記のフォームからご連絡いただければ幸いです。
(「お問い合わせの種類」という項目では、「その他のお問い合わせ」をご選択ください)
本だったノートができるまで
https://www.valuebooks.jp/endpaper/8167/
posted by 神谷周作
愛知県の片田舎生まれ。大学卒業前、就職するのが嫌でバンコクに1年ほど住んでいました。なのでタイ語話せますสวัสดีครัป
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