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2020-10-05

仕事はつらいぜ 月曜日がしんどい僕たちが手に取るべき、5冊の働きかた本

 

やりがいを持とう! 日々成長しよう! 巷にあふれる前向きな言葉の輝きに、悲しいかな、僕の体はドロドロと溶けてしまいます。でも、そんな僕にも味方がいて。

〆切に追われて言い訳を積み上げる文豪、資金繰りに頭を悩ますノルウェーの作家、仕事をバックれるアルバイト……はちょっとやり過ぎかも。これらの本は、決して美しき仕事論ではありません。

でも、明日の朝、ベッドから起き出すぐらいの元気を届けてくれる大切な仕事本です。

 

 

『〆切本』/夏目漱石、江戸川乱歩など全90人著

 

どうにも書けなくて、体の調子も悪くて……そもそもお前に俺の苦労がわかるか!
切なくもおもしろい、〆切と格闘し(時に負ける)作家たちの努力と叫びが詰まった1冊。

 

『〆切本』

 

 

あるノルウェーの大工の日記』/オーレ・トシュテンセン

 

屋根裏の改装は建築界の歴史に残る仕事ではないけれど、ひとりの大工にとっては大切な生業です。
「すべきこと」を作業着で粛々とこなす彼の姿は、とても地味で、かっこいい。

 

『あるノルウェーの大工の日記』

 

 

あやうく一生懸命生きるところだった』/ハ・ワン

 

がんばることはいいことだ。って、誰に言われたんだっけ?
40歳を手前にして会社を辞めたハ・ワン。自分を縛る常識を脱ぎ捨てて、人生の意味を取り戻していきます。

 

『あやうく一生懸命生きるところだった』

 

 

男の!ヤバすぎバイト列伝』/掟ポルシェ著

 

遅刻し、クビになり、真面目にはたらかないことにパンク精神を見いだす若き日の掟ポルシェ。
参考にすべきじゃない経験談ばかりですが、どうしてちょっと憧れちゃうんだろう。

 

『男の!ヤバすぎバイト列伝』

 

 

ブルシット・ジョブ』/デヴィッド・グレーバー

 

誰も見ない書類を書き上げる。やることなんてないのに、椅子に座ってモニターを見続ける。
無意味に思える仕事が生まれてしまう社会構造を、本書は丹念に切り開いていきます。

 

『ブルシット・ジョブ』

 

posted by 飯田 光平

株式会社バリューブックス所属。編集者。神奈川県藤沢市生まれ。書店員をしたり、本のある空間をつくったり、本を編集したりしてきました。

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