いまなぜルビなのか。ルビ財団松本大に聞く、ルビ盛り上がりの兆し
2025-09-22
2025-09-16
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夏の暑さに外へ出る気も起きない日。そんなときは、涼しい部屋で冷たい飲み物を片手に、本の世界にどっぷり浸かってみるのもいいかもしれません。今回は、バリューブックススタッフおすすめの「夏に読みたい本」をご紹介します。気分転換にぴったりな6冊、ぜひのぞいてみてください。
うるうの朝顔 水庭れん 著
もしもあの日に、ほんの一瞬だけ戻れるなら――。人生に迷い立ち止まった人の前に現れた優しい青年が、そっと差し出す一粒の種。咲いた朝顔がささやかな奇跡を呼び、傷ついた心が静かに癒されていきます。止まっていた時計がゆっくりと動き出すとき、人は未来へと歩き出せる――そんな温かくて少し不思議な物語です。
きらめきを落としても 鯨井あめ 著
キラキラ輝く瞬間も、切なく翳りのある瞬間も――大学生たちの出会いと別れを描いた全6編の青春短編集です。恋や夢、将来への悩みに揺れる心の機微が瑞々しく繊細な筆致で紡がれ、ときにSFタッチの不思議な展開も織り交ざります。一文ごとに胸に染み入り、読み終えればたとえほろ苦くても小さな希望がそっと灯るはずです。
料理と毎日 12か月のキッチンメモ 今井真実 著
今井真実さんによる、季節の移ろいと日常を綴った12か月のキッチン日記。日常の何気ない出来事や家族のエピソードとともに、思わず真似したくなるレシピアイデアが満載です。クスッと笑えるエピソードに心がほぐれ、日々の食卓から生まれる幸せがじんわり心に染み渡る、エッセイのように楽しめる、あたたかな料理本です。
なかなか暮れない夏の夕暮れ 江國香織 著
稔は本の世界に浸り、静かな日々を送っています。彼の周囲では、姉や旧友たち、それぞれの時間が、なかなか暮れない夏の夕暮れに重なり合い、物語の中に別の物語が静かに織り込まれていきます。本の世界と現実が穏やかに交錯し、孤独と幸福がゆるやかに共存する、そんなひとときを描き出す静かな群像劇です。
かぜがおうちをみつけるまで Switch library*Rainy day books ボブ・サム 話,谷川俊太郎 訳,下田昌克 絵
遠い昔、すべてのものに心があった頃、冷たい風は誰からも嫌われ、自分の居場所を求めて世界をさまよっていました。孤独な風が最後に見つけた〈おうち〉とは――?クリンギット族の語り部による神話を、詩人・谷川俊太郎が瑞々しい日本語で紡ぎ、下田昌克のダイナミックな絵で彩った自然への讃歌です。読後、静かで深い余韻とともに、生きることの孤独と喜びが胸にしみわたります。
なつのいちにち はたこうしろう 作
照りつける日差しの中、蝉の声が響き、草の匂いがただよう夏の日。麦わら帽子の少年がクワガタを捕まえに田舎道を駆け抜けて山へ向かいます。その姿とともに、ページいっぱいに夏が広がります。ページをめくれば、きっと泥まみれになったあの日の冒険と子どもの頃の夏休みの記憶が蘇ってきます。絵本ならではの優しさと懐かしさに包まれる一冊です。
posted by バリューブックス 編集部
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