発売前より話題を呼んだ高橋悠治と坂本龍一による幻の対談本『長電話』の復刊によせたコメントを公開中!
2024-10-01
2020-06-18
こんにちは。バリューブックスの神谷です。
バリューブックスが運営する実店舗「本屋未満」。
「本屋」と名乗るにも心もとない「本屋未満」の状態でお店をあけながら、これからさまざまな “やってみる” を重ねていきたいと思います。
先週の「本屋未満」は、「1ドリンク注文につき、店内の本どれでも1冊お持ち帰りいただく」ことをやってみました。
「カフェ」には行くけど「本屋」に行くことはあんまりないかな、そういう人にも本を手にとってもらえるような、きっかけを提供できないか。
ほんとささやかなきっかけでいい、ぼくたちにできることはなにか?そう考え続けていく中で、この取り組みを実施するに至りました。
結果、本を好きな人だけでなく、ふだん本屋に行かないようなお客さまにも、本をお金を出して買うのとは違う楽しさを、少しは提供できたのではないかと思っています。(引き続き、こちら取り組みは実施していきますので、ご来店お待ちしております。)
今回やってみた感想、そこから生まれた新たな考えなども、あらためて発信できればと思います。しばしお待ちください。
そして、今週は「新品の本を販売する」ことをやってみます。
店頭に並ぶのは、直近3ヶ月に発刊された新刊です。なぜ、今回この取り組みを実施するのか?その前に以前の店舗、つまり「NABO」はどのような思いでお店を開いていたか、お話しさせてください。
バリューブックスは、日々インターネットを通して、日本中のお客様に本を届けています。オンライン上でのやりとりはスムーズで便利な反面、本を買ってくれた人の顔を見ることや声を聞くことはできません。届けた本は、どんな人が手にしたのか。その人の暮らしに、どんな変化があったのか。それを知る機会がないもどかしさがありました。
「この本いいですよね。」「この本オススメですよ。」
簡単な言葉でも、本を介してコミュニケーションをしていくこと。そのことが、バリューブックスの次の可能性を広げてくれるのではないか。オフラインだからこそできる、本と人との関わりを自分たち自身で作り出すことで、本屋としてできることが増えるのではないか。あるときから、そう考えるようになりました。
このような思いから、2015年1月、「NABO(ネイボ)」という名前のブックカフェをオープンしました。NABOとはデンマーク語で「隣人」。英語の「neighbor」に近い意味を持っています。NABOという場所が来てくれる人にとって良き隣人であるように、ここで手に取った1冊の本がその人の人生の良き隣人であるよう、願いを込めてつけた名前です。
NABOを通じた出会いが誰かの人生をよいものにできたなら、そんなことが少しずつ積み重なっていったら、街も豊かになるのかもしれないという思いのもと、NABOをオープンしました。
これからも、そんな「街に寄り添う本屋」でありたいという気持ちは「本屋未満」を開いていくにあたっても変わりはありません。
いままでの店舗では、棚に並んでいる本は主に古本でした(一部知り合いの出版社さん、著者の方から直接仕入れた本などはありました)。どんな本だったらお客さまが手に取ってくれるだろうか?いろいろと考えながら、バリューブックスに在庫がある古本を1冊1冊選んでいました。
今後の「本屋未満」では、新刊も並びます。まず今週は、直近3ヶ月に刊行された本から300タイトル厳選した新刊を並べる予定です。(すみません!配送の都合上、一部の本は今週末に間に合いませんでした。)
「本屋未満」がある上田には、他にも新刊が手に入る本屋はあります。そういった店では、フォーカスされていなくて、なかなか見つけにくかったり、そもそも並んでいなかったりする、けれどもきらりと光る本を選んでみました。
家にいる時間が必然増え、食事や過ごす空間について、あらためてふりかえる時間ができた中で「自分らしくいられる生活ってなんだろう?」そんなことを考えられる暮らしの本や、
つかれた心を抱きしめてくれるような、短いけど力強くやさしい言葉がちりばめられた、詩の本など、
いまどんな本を届けるべきなのか、何度もなんども考えながら、1冊ずつ選んでいった「届けたい本」が今週末から「本屋未満」に揃っています。ぼくたちが大事にしたいのは、そういった「届けたい」という気持ちです。お客さまに「届けたい本」を届けるために、古本に限定することなく、本を販売していく、そう決めました。
直近3ヶ月に刊行された新刊を置くということは、お客さまに「いま」を発信していくことでもあると思っています。また、古本を置くということは「むかし」を発信することでもあり、つまり本屋未満は「いま」と「むかし」が混在する空間になります。
同じタイトルでも、「古紙回収に行く予定だった本」、「古本として販売している本」、「新刊として仕入れた本」が並ぶこともあるかもしれません。そういった時、どの本を買うのか?価値観について考える体験を提供ができたり、買おうと思っていて、いつの間にか無くなってしまった新刊に、古本という形で再び出会える場になったりするかもしれません。
「いま」と「むかし」が交じり合う場所をつくる中で、新しい体験を提供することができれば、今回の取り組みを通して、そう考えています。
そして、自分たちがいいと思える本を届け、お客さまからも「この本屋にいくと欲しい本がたくさんみつかる」と思っていただけるような本屋を目指していきます。
そのために、古本、新刊問わず「届けたい本」を1冊1冊選び、ぼくたちが考える理想の本屋の形を探していきたいと思います。
今後も「本屋未満」の “やってみる” について、実際にやってみて感じたこと、実際の風景・空気感など、発信していきますので「本屋未満」が「本屋」になるまでを、どうぞ見守っていてください。時にはみなさまと一緒に考えていければうれしいです。
先週同様「バリューブックス・ラボ」も、「本屋未満」と共に開いております。みなさまにお会いできることを、楽しみにしています。
「本屋未満」の情報は、ホームページ・各種SNSからも発信していきます。よろしければご覧ください。
https://www.instagram.com/honya_miman/
https://www.facebook.com/honyamiman
ホームページ
【本屋未満の住所】
長野県上田市中央2-14-31
上田駅から徒歩10分
※「Books&Cafe NABO」から住所は変わっておりません。
posted by 神谷周作
愛知県生まれ。
都内にてウェブメディアを運営する企業に勤めたのち、愛猫と一緒に上田に移住してきました。
趣味は、レンチキュラー印刷がされたグッズの収集。
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