本屋で働くわたしたち vol.13 【 バリューブックスのスタッフ紹介】
2025-04-11
2024-06-28
現在バリューブックスでは、高校生から60代までの約300人のスタッフが働いています。
フルタイムスタッフだけでなく、子育てをしながらやWワークなど働きかたもさまざま。
多くのスタッフは、全国から届いた本の査定や、オンライン注文商品の発送などを行うロジスティックス部に所属していますが、ほかにも、システム部や、総務経理部、マーケティング部、カスタマースタッフ、寄付事業や実店舗運営にたずさわるスタッフなど、あらゆるシーンで会社をささえる人がいます。
「本屋」としていくつもの顔をもっているバリューブックスですが、一体どんな人が働いているのか。
その仕事内容や、スタッフの人となりが伝わる「お気に入りの本」をご紹介します。
本屋の裏側をのぞくような気持ちでお楽しみください。
第5回は、古本の卸や選書、本のある空間作りをメインに活躍している生江(なまえ)さんです。
現在は京都を拠点に、上田と東京と行ったり来たりしながら、古本の卸や選書、本のある空間づくりなどを担当しています。また、バリューブックスとゆかりのある「本屋 B&B」の運営にも携わっています。
生江です。
福島県出身。2018年入社の7年目。
ヴィレッジヴァンガード、NUMABOOKS、日本出版販売を経てバリューブックスに入社しました。2021年からは、以前、働いていたNUMABOOKSにて「本屋B&B」の運営や本の選書に携わっています。現在、京都を拠点に活動中。
趣味は楽器(主にベース)を弾くこと。
休日に息子と商店街にフィールドワークに行くことが最近の楽しみです。
前職の仕事で悩んでいた時に、内沼さん(NUMABOOKS代表でバリューブックスの取締役も務める)に相談したところ、バリューブックスの実店舗「NABO」がスタッフを募集していることを教えてもらいました。
バリューブックスは『WIRED』の「ぼくらは本屋のパタゴニアになりたかったんだ」という記事を読んでチャンスがあるなら働いてみたいと思っていたので、応募しました。
古本の卸や選書、本のある空間作りなど、ネット販売以外の古本の活用に関わる様々な業務を担当しています。
直近では、三井不動産レジデンシャル株式会社が手掛けるマンションのライブラリーを担当しました。 既存のブックコーディネイトと違い、古本の卸だけでは採算が取りにくいため、マーケティング的に効果を出せるかどうかを常に意識しています。 また、古本の卸をキッカケに、お店や企業、著者、出版社、ラジオとのコラボなど、社外とのプロジェクトにも取り組んでいます。
(参考) 主な取引先:無印良品、星野リゾート、グローバルワーク、ディスクユニオン、手紙社、わざわざ、本屋B&B、MINOU BOOKS、ホホホ座、など
▪︎MUJIBOOKS
https://www.valuebooks.jp/endpaper/7951
▪︎問tou
▪︎パークホームズ文京本駒込
https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP637848_V00C22A8000000/
写真は長野県東御市にある「問tou」
バリューブックスは本に対する向き合い方がとてもフラットで、「チャリボン」や「ブックギフト」、「エコシステム」、「捨てたくない本プロジェクト」など、本の業界のこれまでの常識や慣習を常に更新しようとしている姿勢に、この業界で20年ぐらい働いている自分もハッとさせられることが多いです。担当の古本の卸も、業界的にはとても挑戦的な試みだと思っています。
文芸(小説・詩など)、自然科学、人文・社会科学、アート・デザイン、エンターテイメント(音楽・芸能など)
夜寝る前の1~2時間をルーチンにしつつ、出張が多いので移動中に。
『ヒストリエ』
岩明均 著 / 講談社 / 2004年10月21日 発行
毎年、テーマを一つ決めて本を読むことにしているのですが、今年は「世界史」の本を集中的に読んでいます。そのキッカケを作ったのがこの本で、年に1回ぐらい読んでいます。
『寄生獣』の岩明均さんが、アレクサンダー大王の書記官エウメネスを通して、古代ギリシア世界を描きます。武力ではなく知力で活躍するエウメネスがとても魅力的です。
残念ながら物語のハイライトであろうアレクサンダー大王の東方遠征の前で連載が休止しているので、続きは自分で勉強しているという感じです。
岩明均の歴史もの(『ヘウレーカ』『雪の峠/剣の舞』など)はどれも面白いのでおすすめです。
(※ヒストリエ待望の12巻が、約5年ぶりの6月21日発売されました! )
松浦寿夫 著,岡﨑乾二郎 著 / 朝日出版社 / 2005年12月16日発行
「読者は自ずと凡百の美術書をどれだけ読んでも得られぬ知見を得ることが出来るだろう。」という浅田彰さんの推薦文に魅かれて購入したものの、20年近く積読してしまっている本です。
今ハマっている「世界史」とも関連がありそうなので、これを機会に読んでみようと思います。
『ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影 』(ちくま文庫)
内堀弘 著 / 筑摩書房 / 2008年10月8日
1930年代、北園克衛などのモダニズム詩人の詩集やシュルレアリスム文献を次々に刊行し、数年後、彗星のごとく消えてしまった出版社ボン書店。
ボン書店の書物は、100年前の本とは思えないほど軽やかでかっこよく、今も古書市場で高値で取り引きされていますが、ボン書店の記録はほとんど残っていません。
ボン書店とボン書店を作った鳥羽茂とはどんな人物だったのか?
古書店「石神井書林」の内堀弘さんが、まるで名探偵のように、数少ない証言や関連人物を丁寧にたどり、ボン書店と鳥羽茂の物語をひもときます。
職業柄、本や出版に関する本を色々読んで来ましたが、この本は何度も読み返しています。
posted by バリューブックス 編集部
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