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2020-07-15

納品書のウラ書き vol.2 「みそひともじ、と、ドラえもん。」

 

バリューブックスの本を購入していただいたお客様にお届けしている「本の納品書」
その裏面に掲載している編集者・飯田による書評「納品書のウラ書き」のバックナンバーを公開します。
納品書のウラ書きにまつわる詳しいストーリーはこちらをご覧ください。

 

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2018年6月発行_vol.2 より

 

 

みそひともじ、と、ドラえもん。

 

冒頭から私事で恐縮ですが、僕は6月生まれです。ですが、のび太くんは6月が大っきらい。「一年をつうじてもっともふゆかい」とまで言ってのけます。

誕生日を迎える僕は少々さびしいですが、その理由には納得。そう、6月には国民の祝日がないのです!

お休みの少ない6月ですが、この本でちょっぴり元気を取り戻しましょう。アマチュアも含めた、有志の歌人たちが『ドラえもん』をテーマに様々な歌を詠んだ『ドラえもん短歌』。

「いつだって 「どこでもいい」と 言う君じゃ どこでもドアは 使えないよね」「私にも 入浴シーン あるけれど 君は突然 入ってこない」などなど、ユニークな三十一文字が並びます。

思えば、すぐに「ああ、あの場面!」とビジュアルが浮かぶこの国民的作品の浸透っぷりに、改めて驚かされます。

ぱらりぱらりとページめくるうちに、つい自分もひょいっと参加したくなってしまう。ドラえもんと短歌、不思議と相性は抜群なのでした。

 

『ドラえもん短歌』
枡野 浩一 (著)
出版社:小学館(2005年9月)

 

 

 

合わせて読みたい1冊

 

 

短歌は、初めて手に取るのがちょっとおっかなびっくりしてしまうジャンル。そんな時は、まずは歌人から好きになってしまうのも手です。

歌人・穂村弘が綴る”現実日記”。時折「本当に?」と投げかけたくなるけど、まぁよいではないですか。脱力気味の穂村流エッセイ、悔しいけれど、やっぱり好きになってしまいます。

 

『にょっ記』
穂村 弘 (著)
出版社::文藝春秋 (2009年3月10日)

 

 

 

 

posted by 飯田 光平

株式会社バリューブックス所属。編集者。神奈川県藤沢市生まれ。書店員をしたり、本のある空間をつくったり、本を編集したりしてきました。

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