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2018-05-08

新書とは?文庫本や単行本とのサイズや内容の違い

 

こんにちは! 古本の買取・販売を行っている、バリューブックスの編集部です。

バリューブックスでは、毎日1万冊以上の本を売り買いしています。
本の業界に精通したプロとして、この記事では「新書」について解説していきます。

 

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新書とは何か。その意味とは。

 

新書とは、新書判(105×173mm)の本のこと。写真のように細長いスリムな本を見かけたことのある人も多いのではないでしょうか。

新書は、一定の形式で順次刊行される「叢書(そうしょ)」にあたります。

「新書」と聞くと「新しく出版される本」というイメージを持たれる方もいますが、そうではありません。

あくまで「新書」とは「本のサイズ」を指す言葉です。ちなみに新しく出版される本は「新刊」と呼びます。

新書は、様々な専門分野の入門書として刊行されることが多いジャンルです。

政治や経済、学問、社会時評など、特定の分野の知識をインプットしやすいのが特徴。知りたい分野の要点を抑えるにはうってつけです。

 

 

新書、単行本、文庫本の違い

 

新書と単行本、文庫本はどのように違うのでしょうか。定義やサイズ、内容の違いなどについて解説します。

 

新書と単行本の違い~単独刊行か叢書か~

 

単行本とは「単独で出版される本」のことです。

基本的には1冊で刊行されますが、ページ数が多い場合は上巻・下巻などに分冊されます。新書は「同じ形式で刊行される叢書(そうしょ)」にあたるため、単行本とは区別されます。

新書と同じように様々な知識や情報をまとめたものもありますが、小説やエッセイなど、幅広いラインナップが単行本の特徴です。

新聞や雑誌で連載されていたものが単行本として書籍化されることもありますし、「書き下ろし」といって執筆したものがそのまま本になる場合もあります。

サイズは新書よりも大きいB6サイズが多く、装丁や製本がしっかりしており、価格を高めに設定していることが特徴です。

これまでは表紙が固い「ハードカバー」(上製本)が主流でしたが、近年は装丁が多様化しており「ソフトカバー」(並製本)も見かけるようになりました。

<参考記事>単行本とは?文庫本との違いやサイズ、漫画でいう単行本について

 

新書と文庫本の違い~サイズとジャンルが異なる~

 

文庫本は、多くの読者に読まれることを目的として小型に製本されたものです。持ち運びがしやすいように小さめのサイズで、価格も単行本に比べて低めに設定されています。

出版社によって表紙や背表紙の装丁が統一されていて、それぞれのこだわりを感じられることも魅力です。

これまでは「文庫」というと古典作品が中心でしたが、現在は人気のあった作品が文庫化されることも多く、単行本と同じように小説やエッセイなど、様々なジャンルの本が出版されています。

<参考記事>文庫本とは?単行本や新書とのサイズや内容の違い、漫画の文庫本について

 

【新書と単行本・文庫本の違い】

 

新書 文庫本 単行本
サイズ 新書判
105×173mm
A6判
105×148mm
B6判、四六判
128×182mm
128×188mm
ジャンル 専門書・学術書・実用書・啓発本 小説・古典・詩集 小説・エッセイ・ビジネス本
製本の種類 並製本(ソフトカバー) 並製本(ソフトカバー) 上製本(ハードカバー)
並製本(ソフトカバー)
特徴 ・様々な分野の入門書が多い
・文庫本より少し大きい叢書
・普及を目的として刊行された小型の叢書
・もともと単行本として出版されていたものが文庫化することも多い
・単独で刊行される本
・小説、エッセイ、ノンフィクションなどジャンルは様々
・新聞や雑誌の連載をまとめたり、新作として書き下ろされたものもある。

 

 

新書を出している出版社

 

新書を刊行している代表的な会社を紹介します。それぞれのレーベルの特徴を見ていきましょう。

 

岩波書店(岩波新書)

<公式サイト>https://www.iwanami.co.jp/sin/

「岩波新書」は1938年に創刊され、日本国内で初めて新書を広めた「創始」と言われています。

文系・理系を問わず幅広いテーマを扱っておりますが、教養のジャンルが多く見受けられます。他のレーベルに比べ専門用語が多く使われていることから、初めてその分野を知ろうとする人よりは、さらに深い専門知識を得たい人に向いているかも知れません。

年代ごとに装丁の色が変わるのが特徴で、現在は新赤版が刊行中です。ベストセラーに「日本の思想」(丸山眞男)、「知的生産の技術」(梅棹忠夫)などがあります。

 

新潮社(新潮新書)

<公式サイト>https://www.shinchosha.co.jp/shinsho/

「新潮新書」は2003年創刊で、比較的歴史の浅いレーベルです。

「現代を知りたい大人のために700円で充実の2時間」をテーマに、雑誌感覚で読める比較的ライトな内容を取り扱っています。

他社の新書と比べるとページ数が少なく、気軽に手に取ることができます。ベストセラーに「バカの壁」(養老孟司)、「人は見た目が9割」(竹内一郎)などがあります。

 

PHP研究所(PHP新書)

<公式サイト>https://www.php.co.jp/books/shinsho/

PHP研究所の創設50年の記念として、1996年に創刊された「PHP新書」。

PHP研究所がこれまで扱ってきた「ビジネスパーソン向け」のテーマを踏襲しており、自己啓発や生き方、思考法など、ビジネスの世界で活用できる書籍が目立ちます。

30代以降の読者が多いのが特徴です。ベストセラーに「頭がいい人、悪い人の話し方」(樋口 裕一)、「女性の品格」(坂東 眞理子)があります。

 

NHK出版(NHK出版新書)

<公式サイト>https://www.nhk-book.co.jp/list/midcategory-203.html

「NHK出版新書」は2001年にNHK出版から創刊された新書です。

NHK出版ではすでに「NHKブックス」という「教養選書」が存在していたため、新書シリーズは生活や趣味の分野をテーマにした「生活人新書」としてスタートしました。

その後「NHK出版新書」に名称を変更し、政治・経済・人文思想・サイエンスといった分野も取り扱うようになりました。ベストセラーには「大人の教養」(池上彰)があります。

 

幻冬舎(幻冬舎新書)

<公式サイト>https://www.gentosha.co.jp/shinsho/

「幻冬舎新書」は2006年に創刊されました。

幅広い層の読者が興味を持つよう、印象的なタイトルが多いのが特徴です。専門的な情報を提供するというより、読みやすさを重視したレーベルで、テーマも多岐にわたります。ベストセラーに「脳に悪い7つの習慣」(林成之)があります。

 

 

新書の歴史

 

日本で最初に新書を刊行したのは岩波書店です。

 

岩波書店が新書を販売した1930年代、イギリスで、それまで主流であったハードカバーの書籍ではなく、安い値段で購入できる紙表紙の本(ペーパーブックス)が発売され大ブームとなりました。

それを受けて「教養書」や「科学書」が叢書として販売されるようになります。

岩波書店はイギリスでのブームをお手本にし、1938年11月に「岩波新書」を刊行しました。当時岩波書店は、「岩波文庫」を古典作品を収録するレーベルとしてすでに確立させてい他ので、「岩波文庫」と区別する意味で、「岩波新書」を刊行。

その時代の筆者による「書き下ろし」を中心に、現代人の世界的教養を追求する「教養書」として販売を始めました。

当時の定価にして1冊50銭と、手ごろな値段であったため、学生や知識人を中心に人気が広がりました。

 

 

「新書大賞」というアワードもある

 

中央公論新社が主催する「新書大賞」という賞があります。

これは、1年間に刊行された全ての新書から、その年「最高の一冊」を選ぶ賞で、2020年で13回目を迎えます。

選定は、新書に造詣の深い有識者、書店員、各社新書編集部、新聞記者の方々による投票形式で行われ、その結果に基づきます。

 

【2020年新書大賞ベスト5】

 

1位:独ソ戦 / 大木 毅(岩波新書)

2位:ケーキの切れない非行少年たち / 宮口幸治(新潮新書)

3位:教育格差 / 松岡亮二(ちくま新書)

4位:日本社会のしくみ / 小熊英二(講談社現代新書)

5位:「家族の幸せ」の経済学 / 山口慎太郎(光文社新書)

参考:新書大賞|特設ページ|中央公論新社

 

 

新書は実用的な知識の宝庫

 

専門分野の解説書や入門書、学術書など、実用的な知識を得ることができる「新書」。

新書を刊行している出版社は多数ありますが、それぞれのレーベルで特徴は異なります。

これまで新書に興味がなかった方も、この記事をきっかけに是非手にとって読んでみてください。

 

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posted by バリューブックス 編集部

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