本屋で働くわたしたち vol.11 【 バリューブックスのスタッフ紹介】
2025-01-22
2024-07-31
現在バリューブックスでは、高校生から60代までの約300人のスタッフが働いています。フルタイムスタッフだけでなく、子育てをしながらやWワークなど働きかたもさまざま。
多くのスタッフは、全国から届いた本の査定や、オンライン注文商品の発送などを行うロジスティックス部に所属していますが、ほかにも、システム部や、総務経理部、マーケティング部、カスタマースタッフ、寄付事業や実店舗運営にたずさわるスタッフなど、あらゆるシーンで会社をささえる人がいます。
「本屋」としていくつもの顔をもっているバリューブックスですが、一体どんな人が働いているのか、その仕事内容や、スタッフの人となりが伝わるお気に入りの本をご紹介します。
本屋の裏側をのぞくような気持ちでお楽しみください。
第6回は、実店舗の「本と茶 NABO(ネイボ)」の店長である池上さんです。
古本・新刊の選書や仕入れイベント企画まで店舗業務のすべてを任されている池上さん。お店で繋がった人たちや池上さんの知り合いの作家さん達の企画や展示も時々開催しています。バリューブックスが拠点とする上田の街中の本屋として、人と本をつなげる空間づくりを担っているメンバーです。
池上です。
出身地は、バリューブックスのある長野県上田市からひとつ山を超えた「茅野市」です。八ヶ岳があるところですね。
趣味は、コロナ禍からはじめた園芸です。もともと田んぼとして貸していた土地が返却されて、どうしようかと思っていた場所に木を植えたり花を植えたりして公園を作ろうと試みているのですが、田舎すぎて木が鹿に食べられて消えるというのが最近の悩みです。
短大卒業後に、大工を2年、クロネコヤマトで1年、薪ストーブ屋で1年、その後100円均一ショップの面接に落ちて撃沈しているところ、星野リゾートが運営するブックカフェを知り突撃したらタイミングよく雇ってもらうことができました。そのあと明治時代の小学校の建物を再利用してカフェをやる、という仕事を挟んで、バリューブックスに2014年入社しました。
2012年頃にバリューブックスは「くらもと古本市」という酒蔵で本を販売するというイベントを企画していて、趣味でやっていたわたしの出店型書店「mogura books」をそのイベントに出店しませんか、と誘ってくれたんです。その時のバリューブックススタッフと仲良くなり、お付き合いがはじまり、上田市に引っ越すことを決めました。 同じタイミングで実店舗「NABO」でスタッフを募集していることを知ったので当時の社長に直訴して、入社が決まったという流れです。
「本と茶 NABO(ネイボ)」と、「バリューブックスラボ」という上田市にある実店舗の担当をしています。
最近、NABOのオンラインショップができました。
https://www.valuebooks.jp/shelf-items/folder/19616155cd3c2d2
捨ててしまう本をアウトレット価格で販売する「バリューブックスラボ」
バリューブックスには、やる気と責任感さえあれば自由に企画を立ち上げ、任せてもらえる文化があって、そこが自分にとてもあっています。
悪くいえば放任主義ともいえますが、良くいえば主体性に任されている。その人次第で無限にやりがいは生まれていきそうです。
わたしの場合は「本を対面で売る」ということに喜びを感じているので、実店舗ならではのイベントを企画しながら、リアルな場を盛り上げ、ずっとそこにやりがいと楽しさを感じています。
文芸(小説・詩など)、アート・デザイン、趣味・実用、コミック、新書、文庫
入荷した本がどんな本かを把握するためにパラパラ読むことばかりで、通読することが少ないので問題だなあ……と思っています。
川上未映子 著 / 文藝春秋 / 2017年5月10日発行
仲のいいともだちみんながここ1、2年で結婚・出産ラッシュを迎え、ともだちから聞いた「産後クライシス」という言葉の響きに衝撃を受け読み始めたのがこの本です。
小説家の川上未映子さんの妊娠から出産、産後1年くらいを書いたエッセイですが、楽しく読めたしほんとうに参考になりました。乳幼児を育てる期間、授乳でほとんど寝れない、ということが一番おそろしかったです……。川上さん自身の体験した「産後クライシス」の話も読めます。
Anthony Doerr 著 / Scribner / 2022年9月27日
とっっっても好きな小説家、「アンソニー・ドーア」の2022年に出た最新作で、日本語版がまだ出版されていない小説です。2023年に購入して辞書を引きつつ10分の1ほど読みましたが、そのあと1年くらい放置してしまっています……。いつか日本語版が出た時に、わたしが間違った翻訳で思い描いた小説の内容とどう違っているか確認するのが楽しみではあるのですが。
ますむらひろし 作画,宮沢賢治 原作 / 偕成社 / 2001年7月13日
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をコミカライズしたもので、作者の「ますむらひろし」さんは宮沢賢治の作品を40年以上研究し、他の作品もいくつもコミカライズしています。
『銀河鉄道の夜』は謎の多い作品なので、この本からあたらしい物語の見え方を教えてもらうことが何度もあります。ジョバンニの悲しみを描いたシーンなんかはほんとうにすばらしくて、言葉がひとことも無いのですが胸を押しつぶされる気持ちが伝わってきます。
posted by バリューブックス 編集部
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