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2024-12-16
2018-08-21
バリューブックスは「無書店地域に住んでいる人たちに直接本を届けたい!」という思いを実現するために、2017年に移動式本屋『ブックバス』を立ち上げました。
BOOK BUS by Value Books | フェイスブックページ
そのブックバスを活用して、2018年7月の西日本豪雨で被害の大きかった岡山・広島の避難所に本を届けるプロジェクトが急ピッチで立ち上がり。
第1陣は8/6~8/10、第2陣は8/11~8/16の期間に現地で活動することが決定。
ぼくは第2陣に1日遅れで合流し、ブックバスと現地ボランティア活動に参加しました。
そのときの様子や、ブックバスについて感じたことを、書いていきます。
「ブックバスは西日本豪雨で被害に合った人たちの役に立てるのか?」
行く前はなんの想像も働かなかったのだけれど、ブックバスと一緒に岡山広島に行ってみて、ようやく実感することができた。
避難所には、1日中そこから動けない人たちもいる。
毎日を退屈に感じている人もいるかもしれません。
もしかしたら、持て余す時間を使って本や漫画を読みたいけれど、手に入れられないという人もいるかもしれない。
鈍感なぼくは、避難所の立地や状況・状態を目の前にして、やっと現地の人たちの日々に想像をめぐらすことができた。
ブックバスが役に立てる可能性が、ここにはたくさんあるんだとわかった。
短い時間でもいいから、見つけた本で、楽しい時間を過ごしてもらえたらいいなと思った。
自分たちの取り組みに対して、「ブックバスはこんなところがいいんです!」と書くのはどうかと思いつつも、、、(笑)
ここで、今回ブックバスと共に活動をして、「あぁ良かったなぁ」とか、「助かったなぁ」と思ったことを整理させてください。
今回の岡山広島での活動では、アポを取らずに避難所に向かい、やりたいことを説明して避難されている皆さんに呼び掛けてもらうスタイルでした。
言ってみれば「飛び込み営業」です。
「自分たちの得意な分野で人の役に立ちたい」と思っていても、その相手に踏み込む勇気が持てなかったり、不安になったりすることもあります。
そんなとき、大きくてふくよかなブックバスは、
「ここにある本を読みたい人は、必ずいるよ。」
「もし断られたって大丈夫。そのときはそこにニーズがなかっただけだよ。」
と言ってくれているようでした。
幸いにも、ほとんどの避難所でブックバスを歓迎してくれましたが、相手の懐に飛び込む勇気を持てたからこその歓迎だったのだと思います。
この大きさで、中につまっているものを見てもらったら、すぐに「あ、そういうことね!」とわかってもらえます。
寄ってくれたみなさん、自然な流れでブックバスに乗り込み、本を選んでいました。
見て触れてもらって、ほんの少し、言葉を添えれば、活動についてわかってもらえます。
変な言い方ですけど、ブックバスを前にするとみんな「おんなじ人間」として楽しむことができます。
本を持ってきた人・本を選んで持っていく人、長野県から来た人・広島県岡山県に住んでいる人、ボランティアに来た人・被害に合った人とか、、、
振り返ってみるとブックバスで一緒に本を選んだり落書きをしているとき、自分と相手との間に無意識につくっている境界線のようなものがなくなって、一緒に落書きを楽しんでいました。
ぼくには健康な体があり、岡山広島に一緒に行く仲間がいて交通手段もあり、少しでも役に立てるなら何かしたいなという気持ちがありました。
そうなると、ぼくにできることが見えてきます。
現地入りした内の2人の仲間と、呉市の安浦という地域で8/14はボランティアをすることにしました。
安浦は、前日の8/13にブックバス活動した場所。
ブックバス活動中に、仲間の1人が、
「家に泥が入って、窓が開けっぱなし状態なのに、助けを呼ばない家があって、、、できればそこにボランティアに行ってほしい」
と、ある看護師さんにお願いされたのが、安浦でのボランティアを決めた理由でした。
結局のところ、事情があってそのお家に行くことはかなわなかったのですが、気持ちを切り替えボランティアセンターで登録を済ませ、活動を開始。
ぼくたちに割り当てられた仕事は、駐車場に入りこんだ泥を掻いて集めて、ひたすら土のうに詰めるという作業。
最初は気合十分で、
「見えている泥は全部かきだす!」
くらいの気持ちでスタート。
チームリーダーから、スタートして10分で休憩の合図があり、
「もっとできるのに」
と、物足りなさを感じていたのですが、
作業と休憩のサイクルを3回終えたところで、ようやくわかりました。
炎天下の、周りに影も生まれない開けた場所で。
8分間草を刈りながら泥を集め、10分間休憩する、というサイクルが熱中症にならない絶妙なタイムスケジュールだった。
「ボランティア作業中に、ぼくが無理して体を壊したり倒れたりすれば、他の人の仕事が増えてしまう。」
そんなことになったら、本末転倒ですよね。
ムリは厳禁、と自分に言いきかせました。
ボランティア活動終了後、汗だく放心状態を癒してくれたのは、ボランティアセンターでいただいた冷やしタオルと、温泉と、海でした。
大変だったけど、気持ちの良い活動になった。
ボランティアをして思ったのは、自分たったひとりだけでは本当に無力だけど、仲間が集まれば、できないことができるようになる、ということでした。
岡山・広島に行くこともそうだし、ブックバスやボランティアの活動ができたこともそう。
ボランティアセンターにも、たくさんの人が集まって家の中に入りこんだ泥を出したり、駐車場の泥をかいたり、人の力が必要な場所の情報を集めて整理したり、ボランティアの人たちに的確な指示を出したり、体調が悪くならないように働く人のサポートをしたり。
ひとりひとりの力は小さいかもしれないけど、人が集まって、細くても長く活動を継続していくことで、安心して過ごせる場所をつくり出すことができるはず。
だから、ムリのない範囲で、自分にできることを継続していくこと。
現地で実感したことに、意識を向け続けることは、大切なことなんだ、とわかった。
ブックバスが立ち上がった当初は正直、
「”思い”はとてもいいのだけれど、ブックバスで遠くまで本を運んで販売して、本当に採算が合うのかな?」
とか、
「(インターネット上での価値が下がって)売れなくなった本を、ブックギフトとして活用してもらうのは賛成だけど、そのためにわざわざブックバスを走らせることにどんな価値があるのかな?」
とか、
「本当に維持していけるのかな?」
とか、、、
ちょっとネガティブな、他人事のような心配事が浮かんでくることが多かったんです。
今回の西日本豪雨ブックバス・ボランティアプロジェクトだって、ぼくはブックバスで行くのは大変だからやめた方がいいんじゃないかという発言すらしちゃいました。
だけどぼくの心の中にあったそういった心配事は、ブックバスを信じて力強く活動する社内の人たちや、岡山広島での活動を通じて、どんどん消えていったのです。
今回のプロジェクトで言えば、ブックバスのおかげで現地でボランティアをすることができ、避難所にいる方々が本を楽しむための環境作りを手伝うことができ、西日本豪雨の影響の大きさを肌で感じることができ、これからも意識を向け続ける力をもらえた。
ありがとうございました。
第1陣が現地で取材してもらいました。
被災地巡り古本無料配布 長野の会社がブックバス | 産経フォト
ではまた!
posted by バリューブックス 編集部
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