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2021-04-14

無印良品が取り組む、新しい店舗の形。地域に根ざした無印のこれから。

 

こんにちは、バリューブックス編集部の神谷です。

 

みなさん無印良品の「これから」が詰まった「無印良品 東京有明」をご存知でしょうか。

暮らしにまつわる全てを提案することを目指した、関東最大級となる有明店がオープンしたのは昨年の12月のこと。

行政・地域住民と連携の下「資源循環」を目指し、古着の回収や洗剤の量り売り、フードドライブ等、無印史上初となる試みが取り組みが目白押しです。

 

実は、バリューブックスとの新しい試みとして、本やCD・DVDの回収BOXが店頭に設置されています。回収された本たちは、バリューブックスへ送られます。そして査定金額分の絵本が江東区の幼稚園や保育施設にバリューブックスから寄付されるという取り組みが始まりました。

 

いったい無印良品がなぜ古本の回収を?フードドライブとは?

有明店の「くらしサポート/新規事業」担当の横山さんに話をお伺いしました。

 

 

 

無印が考える、地域との関わり方

 

 

VALUEBOOKS 神谷:横山さん本日は、よろしくお願いします!

まずは、関東では売り場面積最大を誇る有明店とはどのような店舗なのか、ぜひご紹介いただければと思います。

 

無印良品 横山:よろしくお願いします。「無印良品 東京有明」は、昨年の12月にオープンし、無印の中でもさまざまな新しい試みが生まれている店舗です。店舗として、くらしの全てに関わり、店舗周辺に住む方々の「感じ良いくらし」の具現化をお手伝いするために、百貨店を超える “百八貨店(ひゃくはっかてん)” として、永く地域の方々のくらしに役立つ存在になりたいと考えています。

 

百八貨店と言いますと?

 

百八貨店とは、百貨店という品揃えが何でも揃うというところから、さらにプラスアルファした8つのサービスを作ることによって、より地域に役立つ小売の形を作っていきたいという考えのもと名付けられた言葉です。

既存の無印の製品だけではなく、暮らしのサポートや家づくり、地域とのつながりを考え、サービスや新製品を新たに開発し、お店づくりをしていくというのが、大きな枠組みです。

 

 

 

暮らしのサポートの実施や、「無印良品の家」・リノベーションといった家づくりを無印が行っていくことは自分もなんとなくイメージができるのですが、無印が地域とのつながりをつくっていく、とは具体的にどのようなことをやられているのでしょうか。

 

1つ挙げられるのは地域の資源の利活用です。わかりやすい例でいうと、有明店ではないですが、直江津店という店舗では遊休不動産を活用した店舗づくりをしています。とある大型スーパーが撤退してしまった土地だったですが、すでにある場所=地域資源に無印が入ることで直江津が既に持っている資源を再生し、そこから地域とのつながりを生んでいくことができないかと考え、その場所に店舗を構えています。

 

なるほど!店舗をつくる段階から地域とのつながり意識されているのですね。

それでは有明店における地域とのつながりに関しては、例えば古着の回収がそれにあたるという感じでしょうか。

 

そうですね。古着回収とフードドライブに関しては地域における廃棄物の削減、資源循環型の社会を目指した活動しようと、江東区と共同で実施しています。

 

フードドライブ……恥ずかしながら初耳なのですが、どのような取り組みなのでしょうか。

 

家庭で余っている食品を持ち寄り、次につなげようということで、福祉団体や施設などに提供する活動です。江東区と連携して、その活動をより地域の人たちに使っていただく受け口となれるよう、一緒にやらせていただいています。

 

民間では初の試みとなる「フードドライブ」 

 

 

古着の回収に協力いただいた方には、リサイクルしてつくられた軍手のプレゼントが

 

 

なぜ無印はそういった地域との連携、有明店でいうとリサイクルやリユースを通した循環を取り組まれているのでしょうか。

 

われわれが現在掲げている「感じ良いくらしと社会」の実現に向けた取り組みとして、廃棄物の削減、資源循環型の社会を目指した活動というのを大切にしており、力を入れて取り組んでいます。

設立当初から ①素材の選択 ②工程の点検 ③包装の簡略化 をしながら、必要な形で、必要な物を、必要な値段で売っていくということは常に考え続けているのですが、より進んだ形で「感じ良いくらしと社会」を実現していくためには、街の行政、地域の方々と一緒に考えていくことが大切だと考えています。

 

 

地域と一緒につくりあげる、無印のコンテンツ

 

 

新製品も新たに開発されているとのことでしたが、どのようなものがあるのでしょうか。

 

1つは「無印良品の黒」というものがあります。有明店を出店するにあたって、どういったお店、サービス、製品が求められているのか地域の方へアンケートをとったり、座談会を実施したんです。そこを通して見えてきたニーズを汲み取り、形になったものが無印良品の黒です。

 

 

有明店オリジナルのプロダクトが、地域の声から新しく作られたのですね。すごい。

 

いままで無印のプロダクトでいうとナチュラルなベージュやブランを基調に展開してきましたが、地域の方々の話を聞いてみると、白や黒といったテーマカラーでインテリアを意識している人が多かったんです。それならばつくってみようと。

新しく店舗を出店する際には、私たちがどのように、その地域の人に役立てるかというところを常に考えて、サービスもしくは商品の企画していきます。まず第一は役に立つこと、そしてそこに熱量入れていくことで、地域に本当に役立つお店ができるのだと思います。

他にも、座談会から生まれたものとして「お片づけサポート」というサービスを提供しています。共働き世代が多い地域の中で、1つの困りごととして、片付けがありました。そこで整理収納アドバイザーが自宅へ伺い、お困りのスペースに合わせた収納プランを提案するという、サービスを実験的に開始しています。

 

「お片付けサポート」の紹介動画はこちら

 

 

それは、僕もぜひ相談させていただきたいです笑

横山さんがあまりに自然と話されるので、流してしまいそうになったのですが、地域の声を拾っていくことってそんな簡単じゃないなと思うのですが……

 

実は、今回オープンするにあたって、1名の社員がこの街に引っ越しをしたんです。実際に地域のコミュニティに入って、関係性を構築していく中で、座談会を開くまでに至ったんです。

 

えーー!引越しまで……

 

先ほど少し紹介した直江津店もそうですが、オープン数ヶ月前から店長、副店長はその地域に住んでいて、商店街の人と話をしたりとか、たくさん飲食店を食べに行くなどして地域の方々の声を聞いたりしています。地道ではあるのですが、関係性をつくるためには本当に大切なプロセスだと考えています。

 

地域とつながり持つ中で、課題やニーズを汲み取り、それを解決できるようなコンテンツを持った店舗を出店していくというのが、今後1つのロールモデルになっていくのでしょうか。

 

そう思います。社内で常々話されているのが、土着化についてです。地域に根ざして、どうお店が役立っていくのか?ということを日々は私たちは問われています。

その中で生まれた店舗が、直江津店であったり有明店であり、だんだんと形になってきています。そして、今後もそういう店はきっと増えていくんじゃないかなと思っています。

 

 

無印とバリューブックスが取り組む「つながる絵本プロジェクト」

 

 

最後に、今回のバリューブックスとの取り組みについてお伺いできればと思います。今回の取り組みは、回収した本やCD、DVDについた査定額を絵本にして、保育施設に寄付しますよね。 そもそもなぜ絵本という形で保育施設に送ろうと思われたのですか。

 

まず今回の取り組みの入り口としては、バリューブックスの活動に共感して、その活動をもっと広げたいというのが思いがありました。そこで、回収されたものがどういう回り方してたらいいんだろう?と考えた時に生まれたのが、絵本にして地域の保育施設に還元されるという流れです。

 

そう言っていただけるのは、とてもうれしいです。不用品回収の部分から、古本の回収の取り組みはオープン当初から一緒に始めさせていただきましたが、さらに、店頭での回収も始まるなんて!

 

もともと先に実施していた、フードドライブや古着回収というのがことのほか、反響が大きくてですね。例えば、古着回収は、全400店舗ぐらいでやってる取り組みなんですけども、12月に有明店に集まった量が、他の全店舗の合計の量よりも多かったんです。

 

ええ!そんなに!

 

私たちもそこまでは想定していなかったです。そこで、そのような取り組みに対してのリアクションが良かったというのが数字としても出ていたので、じゃあ本とかでもっとオープンに回収ボックス設置したら、より多く集まる仕組みができるんじゃないかと。

まだ始めたばかりではあるので、こちらの具体的な数字は出てていないのですが、僕が見ているだけでも結構お客さまの反応はあります。物理的にあれだけ大きいものが置いてあるのはインパクトもありますし笑

 

たくさん集まってほしいなぁ。お客さまにこの取り組みをもっと知ってもらえるような取り組みを考え、他の店舗・地域にも広げていくことができればと思っています!

 

 

 

 

無印でもたくさんの、ユニークな取り組みをされている有明店。

今回の記事では紹介しきれなかった取り組みは、店舗のブログやインスタグラムにて紹介されています。ぜひご覧ください!

 

無印東京有明 店舗ブログ

無印東京有明 Instagram

posted by 神谷周作

愛知県生まれ。
都内にてウェブメディアを運営する企業に勤めたのち、愛猫と一緒に上田に移住してきました。
趣味は、レンチキュラー印刷がされたグッズの収集。

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