EndPaper

本に触れる。
その小さなきっかけを届ける
ウェブマガジン。

2020-12-01

本でひといき、お茶でひといき valuebooks 本屋未満 × CHAIRO

 

第1回 本でひといき、お茶でひといき

長野県上田市にあるバリューブックスの実店舗「本屋未満」に9月からお茶と本のコーナーができました。2019年6月にオープンした市内のお茶屋さん CHAIRO とコラボレートして、日本や台湾や中国の茶葉、ポットやグラス、お茶に関する本などの販売をはじめています。

 

どうして、本屋でお茶なのか?

今日はCHAIROの立ち上げメンバーの中村さんと本屋未満の池上さんの二人に話をきいてみました

 

 

ー こんにちは。今日は本屋未満で茶葉の販売や、店内飲めるドリンクにお茶のメニューを充実させていることなどについて、いろいろお話しお聞きしたいと思います。よろしくおねがいします。

中村
よろしくおねがいします。

池上
こんにちは、よろしくおねがいします!

 


ー それで…さっそくというか、いきなりなんですけど、今回はどうして本屋未満でお茶なのでしょうか?まずは、いきさつからお聞きできればと思います。

池上
え、とつぜんですね…!でも、そうですね。じゃあ、まず、すごく基本的なことからいうと…

中村
そうですね、まず、あまり言ってもいないことなんで、急な話なんですけど、じつは本屋未満とCHAIROは兄弟みたいなものというのがまずあって…。兄弟でいいのかな?

池上
そうそう、兄弟でいいと思います。同じ親っていうか。

中村
そうなんですよね。まあ、すごく大雑把に説明しちゃうと、どちらもバリューブックスの子会社のような店舗なんです。だから兄弟といえて。

 

ー ということは CHAIRO もバリューブックスでやっているんですか?

中村
ええ、実はそうなんです。CHAIROはもともとバリューブックスの社長の大樹(たいき)さんが台湾で出会った高山茶に虜になってしまったことがきっかけで始まったんですが、最初は自分たちで仕入れてきた葉茶をいろいろな人に飲んでもらったりイベントで売ったりしていたんですよ。そしたら、どんどんお茶の楽しさや美味しさ、奥深さに触れていくにつれて、これを、より多くの人に伝えて行きたいという気持ちが強くなり、去年の6月に正式にバリューブックスの子会社というかたちでスタートしました。

 

ー ある意味、本屋だけどお茶好きが高じて葉茶店をはじめてしまったという感じなんですね。

中村
そうですね。そこに今は、大樹さんにつられて、お茶にはまった僕や、縁あって知り合った料理家とか、空間デザイナーとか、カメラマンとか、いろいろな業種の方が加わってくれて、ゆるやかな集まりになっています。

池上
もともと、本屋未満はNABOという名前で運営していたんですけど、そこでもよく、あたらしいお茶が仕入れられると大樹さんが持ってきて、みんなで飲んだりしてましたね。去年の6月にCHAIROがスタートしてからも、NABOでも一部、お茶をメニューに加えたこともあったので、今回、本屋未満でもお茶を扱うっていう話もスムーズに進みました。

 

ー それじゃあ、初期からお茶と本のコラボレートみたいなことは考えてたんですか?

中村
いや、そのころは、そんなに考えてなかったんじゃないかな。とにかく、おいしいお茶が仕入れられたから、NABOでも出してみない?ぐらいの感じだったんじゃないかと思います。

 

ー それが、今回はこういう感じで、本とお茶を組み合わせてやっていく感じになったのは何か理由があったんでしょうか?

池上
うんうん。まず、今回のコロナ騒動の影響はあります。感染症対策で本屋未満も席数を減らしたり、カフェ営業を縮小していて、ドリンクはテイクアウト中心にしてたんですけど、本当なら、やっぱり本を読みながら、お茶とかコーヒーを飲んで、ひと息ついてもらいたいとは思ってたんですね。

中村
そういう時間って大事ですよね。

池上
そうなんです。だから、まあ今できることとして、うちで本と茶葉を買ってもらって、自宅でゆっくりお茶を飲みながら本を読んで、ひと息ついてもらうのがいいかなって。

中村
そうしてもらえると僕らもうれしいんですよ。僕らもなかなか店が開けられなくて、でも、今年も農家さんからはいいお茶がたくさん届いている。このお茶をどうやって売っていこういこうかというときに、本屋未満で一緒になにか面白いことができるんじゃないかという話になりました。

 

ー お互いにタイミングがよかったんですね。

池上
そうですね。せっかくなら、ただ茶葉を売ったり、テイクアウトでお茶を提供するほかにも、なにかやりたいねって。それで、今回は茶葉だけじゃなくて、お茶に関係する本とか、CHAIRO で扱っているお茶まわりの道具なんかも一緒に並べて、ひとつの企画にすることにしたんです。

 

 

 

本でひといき、お茶でひといき

 

ー お二人にとって本を読む時間とお茶ってどんな関係ですか?

中村
そうですね。僕はそんなに多読家というわけではないですし、どちらかというとビジネス書とか実用書を読むことが多いんですけど、そういうときって、やっぱりちょっとリラックスするものを横に置いておきたくなるんですね。それがお茶っていうときは多いです。

池上
読書のときのリラックスアイテムとしてお茶があるんですね。

中村
そうです、そうです。僕の場合はインプットの読書が多いので、そういときには、お茶があるとちょっと気持ちがやわらかくなるんですよね。それがないと、ちょっと仕事モードになりすぎちゃうというか、気を張りすぎちゃうというか、辛くなっちゃう(笑)

池上
なるほど〜

中村
あとは切り替えですかね。本を読む前にお茶を入れていると、それまでの考えごとなんかをちょっと横に置いて、気持ちを切り替えて読書にむかえるって効果もあるかな。

 

ー 中村さんはお茶の使い方も実用的ですね。池上さんの場合はどうですか?

池上
私の場合は、気持ちの切り替えにお茶を用意するってことはあまりないんですけど、なんとなく、読書のときにお茶を飲んでることが多くて。なんでですかね。でも、そういうなかでは、本の余韻を楽しむときに、お茶って合うなって思ったりしますね。

中村
余韻というと?

池上
うーん、言葉にするのが難しいんですけど、例えば小説を読んでいたりして、すごくいい言葉にで出会ったりすることがあるじゃないですか。そういうときに、私はちょっと本を閉じて、その言葉の余韻にひたりたいなと感じることがあるんですよね。窓の外を眺めたり、目を閉じて外の音に耳を傾けたり、とにかく、気持ちを静めて、いま出会った言葉をかみしめるというか。

中村
そういうときに、お茶なんですか?

池上
そうですね。そのときに手元にあるお茶とかコーヒーを一口飲むと、気持ちが静まって、すーっとひと息つけるんですよ。そのときに言葉も反芻されるというか。

 


ー 読書の余韻を感じながらお茶を飲むんですね。

池上
あと、読書のときって、お茶だとお湯を注ぐだけで何度も飲めるのがよくないですか?

中村
ああ〜、そういいわれればたしかに。コーヒーだと、立ち上がってキッチンへ行って、お湯を沸かして、豆をひいて、って結構大変ですよね。お茶だと、テーブルに電気ケトルがあれば、急須に熱湯を足すだけで、その場であつあつのお茶が飲めちゃう。

池上
そうなんですよ。たぶん、立ち上がってキッチンまで行っちゃうと、なんか他のこととかはじめちゃう気がするんですよね。お茶だと集中が途切れずに読書を続けられる気がしていて、そういうときに、お茶を入れる時間って長すぎず短すぎず、ちょうどいいんですよね。

中村
集中力は途切れずに、気持ちはリフレッシュできる。

池上
そうそう。お湯をいれる時間が、ちょっとひと息ににぴったりなんです。

 

(つづく)

 

 

 

今月の本でひといき、お茶でひといき

 


今月の本でひといき

のどがかわいた

大阿久佳乃 著 / 岬書店 / 2020年

出版社「夏葉社」代表の島田さんが作った新レーベル、「岬書店」から刊行された1冊。

150ページくらいの薄い、表紙の黄色が綺麗な本。さまざまな詩の紹介と、著者のエッセイがまとめられていて、ひとつのエピソードは3〜10ページくらいの短い文章でまとめられています。

たくさんの人にこの本をすすめておきながら、この本をぱっと言い表す言葉がまだ見つかりません。

短い文章の中にはいつも、「言葉」に対して鈍感でいられない著者の姿があります。それは、世界に対してちゃんと「わからなさ」を握りしめている、という印象で、安易に言葉に当てはめようとすると全部間違ってしまう、だから非常に慎重に言葉を選んで、重ねて、自分が扱ってもよい言葉かどうかを品定めして、置いていく、そういう作業の末にできたのがこの小さな黄色い本、というふうに思います。(やっぱりぱっと言い表せません・・)

どこからでも好きに読める作りになっているので、お茶で一息つきながら極上のお菓子を味わうように読んでもらえたらと思います。

 

 

 

今月のお茶でひといき

童仙房在来ほうじ茶

すっかり秋も深まってきたこんな季節には体も温まるほうじ茶がおすすめです。CHAIROでは京都の童仙房で育った在来種の茶葉だけを使った珍しいほうじ茶を扱っています。一般的に2番茶や3番茶でつくることが多いほうじ茶ですが、こちらは春に収穫された1番茶だけを使い、少量づつ手作業で焙煎した贅沢なほうじ茶です。カフェインも少なめなので秋の夜長の読書にもぴったりです。

 


 

CHAIROについてはこちらから
*オンライン販売もあります。
https://chairo.jp/

 

 

本屋未満

池上 幸恵

1986年生まれ、縄文のふるさと長野県茅野市出身。本屋で働いたり、出店で本を売ったりしながら、10年くらい本に関わる仕事をしています。バリューブックスの実店舗「NABO」店長を経て現在は「バリューブックスラボ」&「本屋未満」スタッフ。趣味は、もらった土で土偶を作ること。

 

 

CHAIRO

中村 和義

1984年生まれ、CHAIROがある長野県上田市出身。昔からのお茶好きということでは無いが、社長の大樹さんが何気なく出すお茶を共に楽しんでいるうちにお茶の魅力にハマっていき、気づいたら立ち上げメンバーとして、大樹さんと共にCHAIROをスタート。奥深きお茶の世界のことを勉強しながら、お茶のある生活の楽しさを伝えるために日々、奮闘中。

 

posted by バリューブックス 編集部

BACK NUMBER