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2024-12-16
2019-03-06
バリューブックスでは、たくさんのお母さん・お父さんがはたらいています。
「抱きしめたいえほん」は、そんな本屋さんではたらくお母さん・お父さんからのえほんのお便り。
今回のテーマは、「ウキウキするだけが春じゃない。」
春らしいほがらかで楽しいイメージとは、少しだけ離れているかも知れません。
でも、何かが新しくなるときは、新鮮なものに出会う楽しさと同じくらい、不安で胸がいっぱいになるもの。
そんな気持ちに応えてあげる、3冊のえほんを選びました。
かわいらしいイラストは、娘さんによるものです。
うちの子はこの春から小学校。お姉さんになれるのが嬉しい反面、不安もいっぱいみたいです。
お友達に比べて自分だけがうまくできない。そんな時は心細くなって「もういっかい年長さんをやりたい」なんて言ったりも。
ただ、正直に言うと、ほかの子と比べちゃって心配になるのは私も同じです。
『ちいさいわたし』の女の子も、ひとりでできないことがたくさん。でも、それはまだ「とちゅう」なだけ。みんな、それぞれののペースで成長していくんだと教えてくれる本でした。
春の訪れがちょっぴり不安なお子さん、そして親ごさんにも、おすすめしたい1冊です。
『ちいさいわたし』
さく・かさい まり / え・おかだ ちあき
くもん出版
保育園に通いはじめたころは、実は「どうして預けなきゃいけないんだろう」という気持ちがありました。
保育園に預けてはたらかなきゃいけないのは私の都合だし、離れるときの子どもは泣いている。仕事をしていても、「今はお昼寝の時間かな」て、気になってしょうがなかったんです。
そんな気持ちを抱いているお母さん・お父さんに読んでみてほしいのが『おむかえ』。
お母さんが大好きなこたろうくんも、はじめは泣いてばかり。でも、さびしさを覚えながらも、こたろうくんはだんだんと明るい気持ちになっていきます。
ああ、こんな風に子どもは保育園で過ごしながら親の帰りを待っているんだな、てよく分かります。
『おむかえ』
ひがし ちから
佼成出版社
この絵本を読んでほしい。いえ、この絵本を通して伝えたいことがある。そんな気持ちにさせられたのが、『たくさんのドア』でした。
子どもたちが出会うたくさんのドア。その先には、不安や怒りや悲しみが待っていたりするけれど、そのひとつひとつが子どもたちの成長につながっている。
翻訳本で、ちょっとむずかしそうにも見えるけれど、そんなことはありません。読みやすくて、でも、子どもを見守る親として、いろいろなことを考えさせられます。
読み聞かせているうちに、親の方が感じ入ってしまう絵本かも知れません。
『たくさんのドア』
文・アリスン・マギー / 絵・ユ・テウン / 訳・なかがわ ちひろ
主婦の友社
posted by 飯田 光平
株式会社バリューブックス所属。編集者。神奈川県藤沢市生まれ。書店員をしたり、本のある空間をつくったり、本を編集したりしてきました。
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