EndPaper

本に触れる。
その小さなきっかけを届ける
ウェブマガジン。

2019-01-21

「やりたい仕事をやらない」は自分勝手?

 

こんにちは。バリューブックスの大野です。

ぼくはこれまでで2度転職をし、独立しようと試みては失敗し、そんなこんなで「仕事」について考える機会が多くありました。

「仕事とはなにか?」というテーマについて、まだ答えは出ていませんが、いま現在はバリューブックスで働きながら新しい個人事業をスタートさせ、日々楽しく生きております。

 

仕事が辛い、時期もある

以前は、職場に向かうのが辛かった時期がありました。

周囲の空気を読んで無理に話を合わせたり笑ったり、納得がいかなくても上司の指示に従ったり、、、

でもいまは、以前のように辛い気持ちで職場に向かうことはまったくありません。

バリューブックスに流れている「自分で考えて行動しよう」「それぞれの力を発揮しよう」という空気感のおかげだと思います。

ただ実は、その空気感を感じられていたのはごく一部の限られた人たちだけで、ぼくは運よくその恩恵を受けていたんだなぁ、ということが2017年の終盤にわかってきました。

 

ピラミッド型組織づくりで気づいたこと

ウチの会社は2017年、運送費の高騰への対応や、増えていくスタッフ同士の連携を強めるために、組織の再編成を進めることにしました。

ざっくり言うと「部署を確立し、それぞれにマネージャー・リーダーを立て、しっかりとした組織の枠組みをつくろう」というもので、俗にいう「ピラミッド型組織」づくりを約1年やってきました。

ぼくはその中で評価制度をつくっていたのですが、2017年度の終盤になってようやく「何かがおかしい」ことに気づいたんです。

ぼくたちが取り組んでいたピラミッド型組織づくりは、振り返ってみると、階級や序列をつくり「未来のことを考えなきゃいけない人」と「日々の作業しかやっちゃいけない人」を意図的に分け、個々の「仕事をする自由」を奪うものだったと言えます。

 

仕事への偏見

ここから少し、自分の経験を踏まえて「仕事とはなにか?」について考えたいと思います。

バリューブックス入社前のぼくは、「生活をしていくためにはお金が必要で、仕事は生計を立てるための手段だ」と考えていました。

仕事を手に入れるために会社に自分を無理やり合わせて就職活動し、会社に入ればやりたくないことでもがんばってやる。

「お金をもらうために、やりたくないことをがんばってやるのが仕事なんだ」くらいに思っていました。

そして結局、自分を無理やり合わせることも、やりたくないことを続けることも辛くなって会社を辞めました。

当時、自分が苦しんだ末にたくさんの人に迷惑かけたこと、反省しています。

自業自得とはこのことです。

でもだからこそ、バリューブックスに入社して「それぞれの力を発揮しよう」という空気感の心地よさを人一倍感じられたし、「やりたくないことに自分を合わせる」人が増えていくピラミッド型組織づくりに違和感を覚えることができたのだと思います。

 

仕事とはなにか?

前職で経験した職場に向かうときの気持ち、バリューブックス入社当時に感じた空気感、ピラミッド型組織。

改めて「仕事とはなにか?」と考えさせられました。

仕事とは、「仕(つか)える事」と書きます。

漢字の成り立ちから考えると、仕事とは生計を立てるだけのものでも、やりたくないことをやることでもなく、「やりたいことのために自分を使う」ということであり、「自分や自分以外の誰かのために自分の才能や力を使うこと」なのではないかと思います。

また、『未来を先回りする思考法』という本には、

 


きたるべき未来の到来を早めることが、その時代を生きる人に課された唯一の「仕事」です。

(250ページ)


 

と書かれていました。どういうことかと言うと、

 


もしもっと早くに封建制度が終わり、民主主義が浸透していれば、より多くの人が自分の人生を自由に選択できたでしょう。もっと早く天然痘のワクチンが発見されていれば、何千万人という人がもっと長生きできたはずです。

もしもっと早くに実現できていれば、生まれなかった不幸はたくさんあります。

(中略)

私たちにできることは、顕在化している課題をできるだけ早く解決する方法を見つけ、ひとつでも多くの不幸をなくすことぐらいでしょう。いつか誰かが実現する未来だったとしても、その到来を早めることは、多くの人にとって価値のあることです。

(249,250ページ)


 

これまでの歴史を考えれば、目の前にある問題や課題はいつか必ず、誰かの手によって解決されます。

でも、そのいつかくる未来の到来を早めることで、ひとつでも誰かの不幸を減らすことが「仕事」であると書いています。

自分にとってのなくしたい不幸を、生きている間に少しでも早くひとつでも多く減らすこと。

そのために自分の時間を使うのが「仕事」なのだと、腑に落ちました。

 

やりたい仕事をやると、世界が変わる

冒頭の話に戻りますが、ピラミッド型組織は極端に言えば「それぞれの仕事をする自由」を奪う体制でした。

でも、会社で働くひとりひとりに、なくしたい不幸・到来を早めたい未来があるハズ。

2018年からバリューブックスがチャレンジをはじめたセルフマネジメント型組織への移行は、仕事の原点に立ち返り、それぞれが本来持っている仕事を見つめなおして、自由に仕事をしようという呼びかけであったとも言えます。

自分がやりたいことをやっているときって、楽しいですよね。

大きな壁が立ちはだかっても、やってやるぜ!ってモチベーションが普通に湧いてきたりしませんか?

ここまでの話を合わせると、、、

やりたい仕事をやるとその人の能力が最大限引き出されるし、結果的に自分にも周りの人にも良い影響を与え、巡り巡って世界や社会にもその恩恵がもたらされるということです。

逆に、やりたくない仕事に自分を合わせて我慢してやっても、自分にも周りの人にも良いことなんて1ミリも起きないということは、自分の経験を踏まえて断言できます。

やりたい仕事をやることと、やりたくない仕事をやることの結果の差は歴然。

つまりやりたい仕事をやらないことほど、自分勝手なことはないというがぼくの考えです。

 

同調圧力に負けるな

と、ここまで読んでくださった方の中から、

「全員がやりたい仕事だけやりはじめたら、会社も社会もおかしくなっちゃうよ!」

「みんな我慢して仕事してるんだから、そんなわがまま認められない!」

「そうだそうだー!」

という意見が聞こえてきそうです。

たしかに、ぼくたちが挑戦している組織づくりが果たしてうまく機能するかは分かりません。

でも、どうなるか分からないからこそ挑戦する価値があるんだと思っていますし、「仕事は我慢してするものだ」という”常識”こそ、疑った方がいいのかも知れません。

常識を疑って周囲とは違う行動を起こすことは勇気のいることですし、変化を恐れて現状維持するために足を引っ張る人も中にはいるでしょう。

 

そんな中でも、いい仕事をして、充実した時間を過ごすためには。

自分の「モノサシ」を使って行動し、自分にしかできない仕事を見つけて、それに集中していくことしかないとぼくは思います。

 

まとめ

セルフマネジメント型組織にチャレンジするということは、

●「自分の仕事とはなにか?」を見つめなおすこと

●ひとりひとりがやりたい仕事をやり、持っている力を発揮して充実した時間を過ごすこと

●やりたい仕事をやることで周りの大切な人や社会に貢献していくこと

につながっていきます。

ぼく自身、自分のやりたい「仕事」に集中できているかと聞かれれば、自信をもってイエスと言えるワケではありませんが。

自分のためにも、周りの人のためにも、これからどんどん自分の「仕事」に集中していきます^ ^

それでは、また!

 

posted by バリューブックス 編集部

BACK NUMBER